雪の舞う日**No.1**今日もまた雪が降ってる。最近何もかもがメンドくさい。 ながったるい学校での授業も大嫌いだ。 学校なんかフケてどっか遠い所に行きたいとしょっちゅう思う。 でも現実にはそういうワケにゃいかない。 親やセンセーのウザッタい説教を食らうなんてやってらんない。 玄関で靴を履きながら「行ってきます」「行ってらっしゃい、千紗(ちさ)」という いつも通りの短い会話をかわす。 メンドい通学路を歩いてくと、街中もうバレンタインの色に染まりかけて る。 あたしはバレンタインが嫌いだ。 去年のちょうど今くらいの時期、あたしは好きな人がいた。 その人の名前は大羽 駿(おおば しゅん)といって、いつも大人しくてひ かえめだったが、実はとても優しくて頼もしい人だった。 あたしがセンセーから頼まれた教材を持って教室に向かっていると、「持っ たげる。」と言って、手伝ってくれた。 理科の実験のための道具を持ってて、よろけてしまって学校のガラスを割っ てしまった時も、センセーに怒られてるあたしを見て、自分がよそ見してて ぶつかって割ってしまったと嘘をついてまで助けてくれた。 そんな彼にあたしは次第に惹かれていった。 **続く** |